「最近、近くが見づらくなってきたな〜。いよいよ遠近両用メガネかな... でも、どんなフレームでも作れるのかな? そういえば、大きいフレームの方がいいよ、って誰かが言ってたな。。」 といったようなことが頭に浮かんでくるかもしれません。
実際、遠近両用メガネはどんなフレームでも作れるわけではありません。 極端にフレームの上下幅の狭いフレームは遠近両用レンズは入りません。 これは、遠近両用レンズの構造を理解すると分かります。
遠近両用レンズの構造は?遠近両用レンズの度数の分布は、下図のとおり、上部から下部にかけて 度数が変化します。 つまり、フレームにある程度の上下の幅がないと、近方の度数まで入りません。
しかし、最近はフレームのデザインも多様化して、上下幅の狭いフレームで 作りたいという人も多く、それに対応して、メーカーも上下幅の狭いフレーム にも入るようなレイアウトの遠近両用レンズを用意しています。 極端に上下幅の狭いフレームでなければ、遠近両用メガネは作れます。
では、遠近両用レンズがはいれば、上下幅の狭いフレームでもいいのか、 というとそうでもありません。 レンズレイアウトは大きく分けると2タイプ遠近両用レンズは、レンズ上部の遠くを見る部分から、 下部の近くを見る部分まで徐々に度数が変化していますが、 この度数の変化している部分を累進帯(るいしんたい)といい、 この累進帯の長さを累進帯長(るいしんたいちょう)と呼びます。 この累進帯長は長いものから短いものまでありますが、 この長さの違いによって、同じ度数でも見え方は異なります。
加入度数による見え方の違いもうひとつ、遠近両用の見え方に影響を及ぼす要素が加入度(かにゅうど)です。 これは遠方を見る度数と近方を見る度数の差のことをいいます。 この加入度は、年齢を重ねていくと老視(調節力の衰え)が進むことによって 大きくなっていきます。そして、加入度が強くなるほど歪みが大きくなり、 視野が狭くなっていきます。
加入度によって、このように見え方に違いがでてくるので、 初めて遠近両用を作る場合、早めの方(年齢が若いうちから)が良い、 というのはこのような事情もあるからです。
もう一つは、若いほど順応力が高いため、慣れやすいということもあります。 また、遠近両用の場合、下目づかいで近くを見るため、眼の回旋力が必要 になりますが、これも若いうちの方が楽にできます。 もし、年齢が高い方で、初めて遠近両用を作る場合は、 加入度数を弱めにして徐々に慣らしていくのが良いでしょう。 まとめ遠近両用メガネは、デザインに強いこだわりがなければ、上下幅の広い フレームを選んだ方が、歪みも少なく、視野も広く見やすくなります。 特に加入度の強い人ほど、上下幅の広いフレームが良いでしょう。
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